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前立腺癌


前立腺癌とは
前立腺に発生する癌です。以前は診断が難しく、診断される例の約半数に骨への転移がみられる進行癌でした。しかし、血液中の前立腺特異抗原(PSA)の測定が前立腺癌の発見に有用なことがわかり、PSAによる検診が普及したことにより現在はより早期に発見され、ほぼ完治する例が多くなっています。

症状

現在はドックやPSA検診により、血液検査でPSAが上昇していることにより癌が疑われることがほとんどです。排尿障害で、受診時に超音波検査、直腸指診(肛門より指を挿入し前立腺を触診)などで発見されることもあります。ときには骨転移による痛みが発見の契機になることもあります。
PSAの基準値は本邦の多くの検診では4.0以下の基準値が使用されています。

診断方法

前立腺癌の診断には前立腺の一部を採取する前立腺生検が必要です。
当院では基本的に腰椎麻酔にて2泊3日の入院で行っております。

治療方法

治療は年齢や癌の進行度などを考慮して行われます。

【手術】
比較的早期の前立腺癌に行う治療で、前立腺および精嚢腺を切除します。開腹による方法が一般的でしたが、腹部に小さな穴を数カ所に開けて内視鏡や手術器具を挿入して行う腹腔鏡下前立腺全摘術が広く普及してきました。最近では腹腔鏡下手術を手術用ロボットを用いて行うロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術が急速に普及しています。

【放射線療法】
放射線の外照射療法のほか、前立腺内に線源を埋め込む組織内照射法があります。放射線療法は再発の危険が低い場合は単独で行われます。再発の危険が高い例では後述の内分泌療法が一定期間併用されるのが一般的になっています。

【内分泌療法】
前立腺癌は、男性ホルモンがあると発育し、男性ホルモンがなくなると退縮する性質があり、これを前立腺癌の男性ホルモン依存性といいます。この性格を利用して男性ホルモンを除去することにより癌を治療しようという方法です。男性ホルモンを除去するには手術で両方の精巣を摘出する方法(去勢)と男性ホルモンを抑え込む注射を一定期間おき(通常1月または3カ月)に注射する方法があります。抗男性ホルモンの飲み薬を同時に内服することが一般的です。内分泌療法は永遠に効果があるわけではなく治療開始後に再発することが多いため進行していて手術や放射線療法では治せない例や、高齢であったり合併症のため手術や放射線療法が行えない例が対象となります。