前立腺がんは、前立腺の細胞が何らかの原因で異常に増殖することにより起こる病気で、男性で最も罹患数の多いがんです。多くの場合比較的ゆっくり進行し、早期に発見して適切な治療を行えば、他のがんに比べ予後の良いがんです。
早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありません。ただし、尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの症状が出ることもあります。進行すると、排尿の症状に加えて血尿や排尿痛、骨への転移による腰痛などがみられることがあります。
気になる症状がある場合には、早めに泌尿器科を受診することが大切です。
早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありません。ただし、尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの症状が出ることもあります。進行すると、排尿の症状に加えて血尿や排尿痛、骨への転移による腰痛などがみられることがあります。
気になる症状がある場合には、早めに泌尿器科を受診することが大切です。
診断
前立腺がんでは、最初にPSA検査を行い、基準値を超えているときは直腸診を行います。これらの検査で前立腺がんが疑われる場合には、MRIを用いた画像検査を実施して確認し、最終的に前立腺生検を行ってがんかどうかを診断します。
<スクリーニング検査:一般検査>
●PSA(前立腺特異抗原)
前立腺でつくられるタンパク質の一種で、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられています。がんや炎症により前立腺組織が壊れると、PSAが血液中にもれ出し、血液中のPSA量が増加します。PSAの基準値は年齢によって変動することもありますが、基本的には4ng/mL未満とされ、4~10ng/mLとなるとがんの疑いがあり
(いわゆるグレーゾーン)、25~40%の確率でがんが発見されます。ただし、10ng/mL以上でもがんが発見されなかったり、4ng/mL以下でも発見されたりすることもあるので注意が必要です。
※PSA値は前立腺肥大症や前立腺炎などがん以外の病気で上昇することもあります。
●直腸診(触診)
排尿症状がある場合やPSA値が高い場合には、直腸診が行われることがあります。
直腸診では医師が肛門から指を入れて前立腺を触診し、前立腺の大きさや硬さ、弾性、前立腺表面の凹凸を直腸壁ごしに前立腺の状態を確認します。PSAが上昇しない前立腺癌の検出に必要となります。
●経直腸エコー検査
必要に応じて肛門から超音波診断器具を入れて、前立腺の大きさや内部の形態を調べる経直腸エコーという画像検査が行われることもあります。
●画像診断 MRI検査
画像診断は必要に応じて行います。
MRI検査は、磁気を使用して体の内部をさまざまな方向の断面画像として映し出す検査です。がんの有無や場所の確認、がんが前立腺の外に広がっていないか、リンパ節などに転移がないかについて調べるために行います。
前立腺がんでは、最初にPSA検査を行い、基準値を超えているときは直腸診を行います。これらの検査で前立腺がんが疑われる場合には、MRIを用いた画像検査を実施して確認し、最終的に前立腺生検を行ってがんかどうかを診断します。
<スクリーニング検査:一般検査>
●PSA(前立腺特異抗原)
前立腺でつくられるタンパク質の一種で、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられています。がんや炎症により前立腺組織が壊れると、PSAが血液中にもれ出し、血液中のPSA量が増加します。PSAの基準値は年齢によって変動することもありますが、基本的には4ng/mL未満とされ、4~10ng/mLとなるとがんの疑いがあり
(いわゆるグレーゾーン)、25~40%の確率でがんが発見されます。ただし、10ng/mL以上でもがんが発見されなかったり、4ng/mL以下でも発見されたりすることもあるので注意が必要です。
※PSA値は前立腺肥大症や前立腺炎などがん以外の病気で上昇することもあります。
●直腸診(触診)
排尿症状がある場合やPSA値が高い場合には、直腸診が行われることがあります。
直腸診では医師が肛門から指を入れて前立腺を触診し、前立腺の大きさや硬さ、弾性、前立腺表面の凹凸を直腸壁ごしに前立腺の状態を確認します。PSAが上昇しない前立腺癌の検出に必要となります。
●経直腸エコー検査
必要に応じて肛門から超音波診断器具を入れて、前立腺の大きさや内部の形態を調べる経直腸エコーという画像検査が行われることもあります。
●画像診断 MRI検査
画像診断は必要に応じて行います。
MRI検査は、磁気を使用して体の内部をさまざまな方向の断面画像として映し出す検査です。がんの有無や場所の確認、がんが前立腺の外に広がっていないか、リンパ節などに転移がないかについて調べるために行います。
<確定診断:がんを確定するための検査>
●前立腺生検(前立腺組織を採取)
前立腺がんが疑われる場合、診断を確定するために前立腺生検を行います。前立腺生検では、まず肛門から超音波プローブを挿入し、経直腸エコー(経直腸超音波検査)による画像を観察しながら、前立腺に細い針を刺して複数カ所の組織を採取します。当院では、経直腸エコーの画像にMRI検査の画像を組み入れて、異常部位をねらって検査(MRI・超音波融合標的生検システム)しています。
採取した組織を顕微鏡で観察して、がんがあるかどうか、また、がんがあった場合には、その悪性度を確認します。針生検は直腸から針を刺入する方法と、会陰部(肛門と陰嚢の間の皮膚)から針を刺入する方法があります。前者は、麻酔なしでできる検査で外来でもできますが、まれに出血や発熱が起こることがあります。当院では、合併症を防ぐため、後者を腰椎麻酔下で2泊3日入院としています。
●前立腺生検(前立腺組織を採取)
前立腺がんが疑われる場合、診断を確定するために前立腺生検を行います。前立腺生検では、まず肛門から超音波プローブを挿入し、経直腸エコー(経直腸超音波検査)による画像を観察しながら、前立腺に細い針を刺して複数カ所の組織を採取します。当院では、経直腸エコーの画像にMRI検査の画像を組み入れて、異常部位をねらって検査(MRI・超音波融合標的生検システム)しています。
採取した組織を顕微鏡で観察して、がんがあるかどうか、また、がんがあった場合には、その悪性度を確認します。針生検は直腸から針を刺入する方法と、会陰部(肛門と陰嚢の間の皮膚)から針を刺入する方法があります。前者は、麻酔なしでできる検査で外来でもできますが、まれに出血や発熱が起こることがあります。当院では、合併症を防ぐため、後者を腰椎麻酔下で2泊3日入院としています。
MRI・超音波融合標的生検システム(コエリス トリニティⓇ)対応
MRI・超音波融合標的生検システム「KOELIS TRINITY(コエリス トリニティ)」は、高解像度のMRI画像と超音波画像を融合(フュージョン)させ、前立腺がんが疑われる部位を3D超音波画像で描出することができます。そのため、疑わしい場所から正確に組織を採取することが可能になりますので、がん検出率の向上が期待できます。
MRI・超音波融合標的生検システム「KOELIS TRINITY(コエリス トリニティ)」は、高解像度のMRI画像と超音波画像を融合(フュージョン)させ、前立腺がんが疑われる部位を3D超音波画像で描出することができます。そのため、疑わしい場所から正確に組織を採取することが可能になりますので、がん検出率の向上が期待できます。
治療
前立腺生検、MRI、CT、骨シンチグラフィーなどの画像検査から、がんの広がりや性質を評価します。その結果やご希望をふまえて手術(ロボット支援手術など)、放射線治療、ホルモン療法、経過観察といった治療法の中から、最適な治療法を患者さんと一緒に考えていきます。
前立腺生検、MRI、CT、骨シンチグラフィーなどの画像検査から、がんの広がりや性質を評価します。その結果やご希望をふまえて手術(ロボット支援手術など)、放射線治療、ホルモン療法、経過観察といった治療法の中から、最適な治療法を患者さんと一緒に考えていきます。
●ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RARP)
ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RARP)は、ロボット支援手術システム「ダヴィンチ」を用いて行う、身体にやさしい前立腺がん手術です。患者さんの身体への負担が少なく、安全で回復も早い治療法です。
お腹に1~2cm程度の小さな穴を6か所あけ、ロボットアームとカメラを挿入します。この小さな傷から手術を行うため、出血や痛みが少なく、回復も早いのが特徴です。ロボットの拡大視野と精密な操作により、神経や血管を温存しやすく、尿もれや性機能への影響も最小限に抑えられます。通常、10日前後の入院で退院でき、早期に普段の生活へ戻ることが可能です。当院では経験豊富な医師・看護師・薬剤師・管理栄養士が手術前から退院後までしっかりサポートします。
ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RARP)は、ロボット支援手術システム「ダヴィンチ」を用いて行う、身体にやさしい前立腺がん手術です。患者さんの身体への負担が少なく、安全で回復も早い治療法です。
お腹に1~2cm程度の小さな穴を6か所あけ、ロボットアームとカメラを挿入します。この小さな傷から手術を行うため、出血や痛みが少なく、回復も早いのが特徴です。ロボットの拡大視野と精密な操作により、神経や血管を温存しやすく、尿もれや性機能への影響も最小限に抑えられます。通常、10日前後の入院で退院でき、早期に普段の生活へ戻ることが可能です。当院では経験豊富な医師・看護師・薬剤師・管理栄養士が手術前から退院後までしっかりサポートします。
腎臓がんは、尿を作る腎臓の細胞ががん化したものです。腎臓がんの診断に最も重要な検査は、造影剤を用いたCT検査で、ほとんどの癌はこの検査で診断可能です。
治療の原則は、手術摘出です。術式としては、以前は開腹手術がほとんどでしたが、最近は傷が小さく回復が早い腹腔鏡手術が主流となっています。
ほかの臓器に転移している場合や手術で摘出できない場合には、薬物療法を行います。薬物療法には、分子標的治療、免疫療法があります。
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治療の原則は、手術摘出です。術式としては、以前は開腹手術がほとんどでしたが、最近は傷が小さく回復が早い腹腔鏡手術が主流となっています。
ほかの臓器に転移している場合や手術で摘出できない場合には、薬物療法を行います。薬物療法には、分子標的治療、免疫療法があります。
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腎臓でつくられた尿は腎盂から尿管を通って膀胱へと送られます。腎盂尿管に発生するがんのほとんどは、その粘膜から発生する尿路上皮がんです。
腎盂尿管がんの診断には、CT検査、内視鏡で内部を観察する尿管鏡検査、カテーテル挿入による造影検査などが行われます。
転移のない腎盂尿管がんの標準治療は、手術療法です。術式は、腎臓、尿管、さらには膀胱の一部も含めた腎尿管全摘術が一般的です。最近では、傷が小さく回復が早い腹腔鏡での手術が普及しています。ほかの臓器に転移している場合、手術ではなく抗がん剤治療を行います。
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腎盂尿管がんの診断には、CT検査、内視鏡で内部を観察する尿管鏡検査、カテーテル挿入による造影検査などが行われます。
転移のない腎盂尿管がんの標準治療は、手術療法です。術式は、腎臓、尿管、さらには膀胱の一部も含めた腎尿管全摘術が一般的です。最近では、傷が小さく回復が早い腹腔鏡での手術が普及しています。ほかの臓器に転移している場合、手術ではなく抗がん剤治療を行います。
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血尿を主訴に当院に受診した患者さんのなかでは超音波検査や膀胱ファイバースコピーで膀胱内に癌が発見されることがあります。癌が発見されたときには、まず入院の上、膀胱内の腫瘍を電気メスで切除して、その腫瘍の悪性度と浸潤度を検討します。膀胱の筋層まで浸潤したものでは、膀胱を全て切除する必要があります。浸潤性のもので筋層までの浸潤が明らかではないものは、再度腫瘍のあった部を深く削って腫瘍の深さを診断します。膀胱筋層への浸潤がないものは、定期的(3月に1回)に膀胱ファイバースコピー検査を行い再発の有無をチェックしていきます。
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加齢に伴い前立腺が腫大し前立腺肥大症になると、内部を通る尿道が圧迫されて尿の勢いが悪くなったり、頻尿になったりします。通常、まず前立腺部の尿道を広げて尿を楽に出せるようになる薬物療法を行います。この治療で改善が得られない場合は、高出力レーザーで前立腺組織を蒸散させ尿路のつまり(閉塞)を取り除くレーザー療法または経尿道的内視鏡手術を施行します。レーザー療法は最新型のグリーンライトレーザ-機器(GreenLight XPS)を導入しています(2020年1月現在)。
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尿路とはおしっこの通り道のことであり、腎臓⇒尿管⇒膀胱⇒尿道のことを指します。尿路に出来た結石のことを尿路結石と呼び、結石の存在する部位によって腎結石や尿管結石のように、それぞれ名前が付けられます。
特に腎・尿管結石は疝痛発作(救急車を呼ぶほどの強い痛みの発作)を来したり、結石性腎盂腎炎といった外科的治療を要する尿路感染症の原因となったり、放置すると腎機能障害の原因になることもあるため注意が必要です。
治療方法は結石の成分、部位、大きさ、症状、経過時間、合併症等に応じて薬物治療、外科的治療を選択します。5mm以下の結石は自力での自然排石が期待できるため、手術治療になることは少ないですが、結石が1か月以上同じ部位に留まる場合は、大きさに関わらず手術治療の適応になります。
手術方法は開腹・鏡視下手術以外に、大きく分けて体外衝撃波結石砕石術(ESWL)・経尿道的結石砕石術(TUL)・経皮的腎砕石術(PNL)の3種類があります。体外から結石に衝撃波をあてることにより砕石する方法をESWL、尿道から逆行性に尿管あるいは腎まで内視鏡を挿入し、結石を内視鏡で確認しながらレーザーで砕石する方法をTUL、皮膚から直接腎臓に内視鏡を挿入し砕石する方法をPNLと呼びます。
尿路結石で特に問題となるのは腎結石と尿管結石ですが、結石の部位・大きさにより適応となる手術方法が異なります。
当院ではそれら全ての治療が可能であるだけでなく、一般の病院では治療困難な難治再発症例などにも対応しておりますので、尿路結石症でお困りのことがあれば当院外来にお問い合わせ下さい。
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特に腎・尿管結石は疝痛発作(救急車を呼ぶほどの強い痛みの発作)を来したり、結石性腎盂腎炎といった外科的治療を要する尿路感染症の原因となったり、放置すると腎機能障害の原因になることもあるため注意が必要です。
治療方法は結石の成分、部位、大きさ、症状、経過時間、合併症等に応じて薬物治療、外科的治療を選択します。5mm以下の結石は自力での自然排石が期待できるため、手術治療になることは少ないですが、結石が1か月以上同じ部位に留まる場合は、大きさに関わらず手術治療の適応になります。
手術方法は開腹・鏡視下手術以外に、大きく分けて体外衝撃波結石砕石術(ESWL)・経尿道的結石砕石術(TUL)・経皮的腎砕石術(PNL)の3種類があります。体外から結石に衝撃波をあてることにより砕石する方法をESWL、尿道から逆行性に尿管あるいは腎まで内視鏡を挿入し、結石を内視鏡で確認しながらレーザーで砕石する方法をTUL、皮膚から直接腎臓に内視鏡を挿入し砕石する方法をPNLと呼びます。
尿路結石で特に問題となるのは腎結石と尿管結石ですが、結石の部位・大きさにより適応となる手術方法が異なります。
当院ではそれら全ての治療が可能であるだけでなく、一般の病院では治療困難な難治再発症例などにも対応しておりますので、尿路結石症でお困りのことがあれば当院外来にお問い合わせ下さい。
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